アメリカ合衆国で行われた企業価値(金融関連企業を除く)の調査によれば、企業価値のうち無形資産がしめる割合は、
1978年には20%であったものが、
1988年には55%になり、
さらに、1998年には70%にも達しました。
アメリカ合衆国でのこの背景には、連邦最高裁判所の考え方が、反トラスト問題に対する関心から、特許権の独占的排他権と反トラスト問題とのバランスにシフトしたことにより知的財産に対する権利の価値をさらに増大させることとなったことがあるようです。
無形資産が企業(経営)にもたらす価値の増加は、当然、わが国でも同じような傾向にあることは想像に難くありません。
1990年代初頭ドラッカーは『企業価値向上はもう古い。これからは、企業が富を生み出す能力の向上をガバナンスの対象とすべきだ。』
と述べ、また
『人が労働を提供し、諸資源を組み合わせてモノを作る時代はおわった。これからの経済社会は、個々の「知」が生かされる時代であり、個々人の「知」によって、まったく新しく作り変えられる。』とも述べています。
巷に目をやると、「知」と「経営」をテーマとしている、多くの書籍や、研究は、大企業・上場企業の場合がほとんどです。しかし「無形資産・知的資産」をどう活かすかということに対する重要性は、大企業に限りません。
むしろ、経営資源が少ない小さな組織こそ、「無形資産・知的資産」の重要性が高いのではないでしょうか。
そこでここでは、中小企業・個人企業・NPOを特に意識して話をすすめたいと考えます。
さらに究極の個人事業ともいえる、個人としての生活にも意識しながら、価値の創造・価値の抽出への足がかりになるようなものを記載したいと考えています。
知的資産経営戦略で「NPO」や「個人の生活」に触れることには違和感をお感じになる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、規模や資産は異なっても、知的に経営することが大切なのは同じと言えます。
それは、「経営」という言葉は、そもそも人の営みという語でもあるからです。